私に恋をしてください!
「頼むから、俺を信じてくれ。それに、俺達の関係は、葉月が"私に恋をしろ"と俺に命じてきたことが始まりなんだよ?だからじゃないけど、俺は葉月に恋している。俺はお前の一番になれるように、葉月の理想の男に近づけるように頑張るから」
『そんなの、頑張らなくていいよ』

俺の胸に頭を付けた状態で、葉月は言う。

『そのままのソラがいい。ありのままのソラを私に見せてよ』
「うん。無理はしないよ。でも努力はさせてくれ」

俺は葉月の頭を撫でた。

『いい匂い』
「ん?」
『そう言えば、ソラってタバコ吸う?』
「うん。そんなに多くはないと思うけど」
『その匂いかな』

タバコは今の時代、嫌う女性も多いと思うけどな。
葉月は違うのか?

『私の前では吸わないよね』
「嫌だろ?副流煙」
『今言ったでしょ?ありのままのソラがいいって』
「ならさ」

俺は葉月の体を離した。

「タバコって、口寂しい時に吸いたくなるんだ。今日、昼以来吸っていないから、タバコの代わりに口寂しさを満たしてよ、葉月」

タバコより、葉月の唇が欲しくなった。
そして目の前に唇があるんだから、そりゃキスしたくなるよ。

だって、さっき食堂にいた時の葉月の泣きそうな顔を見た時、明らかに俺は欲情し、今もそれが継続中なんだから。
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