私に恋をしてください!
今の話を総合すると、"少しでも一緒に過ごす時間を作る努力をしろ"と神戸は言いたいんだろうな。

何だかこの2日間の営業で、色々教えられたような気がした。

そして夜。

俺は約束通り19時の5分前にマスターの店に着いた。

「こんばんは」
『いらっしゃい。お待ちしておりましたよ』

マスターが声を掛けてくれるものの、店にはお客さんは誰もいない。
そう言えば、先日葉月とお母さんと行った時も他にお客さんはいなかった。

『まだ来客者はおりますよ。そちらに座ってお待ちくださいな。それと、夕飯もこちらでご用意いたしますから』
「いや、でもこのお店にご飯はないのでは・・・」
『はい、今日は特別ですよ』

飲み物とケーキくらいしかない喫茶店で用意してくれるディナーって、何だろう。

すると、次に入ってきたのは、女性だった。
時刻は丁度19時。

他のお客様だろうか。

『マスター、セーフ?』
『丁度7時ですよ』
『やった。この店で待ち合わせして遅刻しない記録更新!ファイトして正解だったぁ』
『もうお客様お見えですよ』

女性はキョロキョロしているけど、お客さんは俺しかいないから、分かるだろうに。
俺に目を止めると、一目散に向かいの椅子に座った。
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