私に恋をしてください!
マリちゃんって、誰?子供?
目の前のふんわり女子には、子供がいるってことかよ。

「お子さん、いらっしゃるんですか?」
『あれ、知らなかった?健吾からソラくんにはNGはないって聞いていたから安心していたんだけど、まぁ、いいよね。うちには4歳になる娘がいてね。これも内緒なのよ』
「いろいろ秘密なことが多くて大変ですね」

営業局の人間に黙っていて、同じフロアで平然と局長といち部下として仕事しているわけだろ?
社内恋愛とか結婚って大変だよな、とつくづく思う。

『ごめんなさいね。主人があとひとりを連れてここに来る予定なんですけど、ちょっと遅れているみたいですね』
「いえ、僕は大丈夫です」

あとひとり?
誰だろう。
そもそも俺がここに呼ばれている意味も自分で分かっていない。

定刻より20分遅れで男性2名が入ってきた。

ひとりは健吾さん。
もうひとりは・・・初老の男性。
着ている黒のロングコートは高価そうだ。

『お待たせしてごめん、柳井くん』
「いえ、こちらこそ、お忙しいのにお疲れ様です」

コートを掛け終えると、俺と玲奈さんが座るテーブルにやってきた。
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