私に恋をしてください!
すると、

"ピンポン"と玄関のインターフォンが鳴った。

私が出た。

玄関でドアを開けると、スーツ姿のソラがいた。

『こんばんわ』

私の背後にお父さんがいる。

『今日は仕事帰りに申し訳ないね』
『いえ、こちらこそ、お招きいただきありがとうございます』
「お仕事お疲れ様でした」

そんな私の言葉に対して、返事の代わりに頭を撫でられた私。

『さ、入って。一緒に夕食を食べよう』
『はい、お邪魔します』

廊下を歩き、リビングに入ると、ワイングラスを準備していたお母さんがいた。

『あら、いらっしゃいませ。あら・・・』

ソラの登場に驚いているお母さんに真っ直ぐ視線を向けたソラ。

『こんばんは。今日は突然お邪魔しまして申し訳ありません』
『ソラくんが何でお父さんの知り合いなのよ』
『はい。先日縁が会ってお会いいたしまして』

爽やかだ。
少女マンガのワンシーンにありそうなこの光景。
そんなシチュエーションを"生放送"で見られるとは思いもしなかった。

『準備は出来たか?じゃぁ、ソラくんも座って。みんなで食事をしよう』

と、お父さんが珍しくこの場を仕切った。
いつもはお母さんに促されないと動かないのに。
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