私に恋をしてください!
★スイート・クリスマス?~side SORA~
葉月が泊まり道具を用意して2階にある自分の部屋から降りてきた。

「では、葉月さんとふたりになりたいので、僕達はこれで失礼します」
『ここは葉月の住んでいる家なのに、おかしな言い方』

お母さんはそう言って笑った。

『こちらはこちらでもう少し2人で話すから、そっちは勝手にやってくれ』
「ありがとうございます。では失礼します」
『行ってくるね』

そう言って玄関を出ると、俺は葉月の荷物を持った。

ここからは電車で5駅乗り、そこからさらに乗り換えて3駅。

漫画を描く道具が入ったバッグは絶対俺に持たせては貰えない。
むしろそっちの方が重いのに。

『ソラと、お泊りできるの?』

身長差27センチ。
結果的に上目使いになる葉月の表情は、ここは電車の中だということを忘れてしまいそうだ。
お酒が入っているせいもあるのかな。

『お父さんとお母さん、今頃どうしているだろうな』
「まず手始めに、寝室を同じにしないとな」
『一緒に寝るだけでも心は通じるだろうからね』
「分からないよ。"夫婦生活"もまだ全然アリだろうから」
『え?お父さんはもう63だよ?』

最寄駅を降り、俺の住むアパートに着く手前での会話。
葉月の疑問には、部屋に入ってドアを閉めた時に答えた俺。
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