私に恋をしてください!
学校にもバレて停学処分を食らい、大学への推薦入学も取り消され、高校を卒業することは出来たものの、一般入試で受験した大学は全滅。
結局一浪することになってしまった。

若気の至り。
神様に罰を与えられた。
俺は本気でそう思った。

こうなったら大学に必ず入り、自分を磨いて再び彼女と向き合うチャンスを狙おう。

今の俺は、まだダメだ。
何も変わっていない俺を、彼女が受け入れる訳がない。

動機は不純かもしれないけど、とにかく俺は頑張って1年後に国立2番の大手門大学に入った。

そこで4年間、いろいろ資格を取り、社会人としての勉強を重ね、その一環としてアルバイトにも明け暮れた。
生活費を稼ぐ目的もあったけどね。

その間に付き合った女性がいなかったわけではない。
好きになりかけた女性もいた。

ところが・・・その度にあの時のことを思い出す。
目の前に組み敷いた女性に気持ちが入れば入るほど・・・

プラトニックな関係であった方が、寧ろ思い出さなかったのかも知れない。
でもしかし、そうではない。

忘れたくても、忘れられない。

彼女が働くのはわかば堂書店。
社会人になった俺を彼女に自然に見てもらうには、その業界に入る必要があると思った。

しかしわかば堂書店に就職するのは、あからさま過ぎる。
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