私に恋をしてください!
『あら葉月、あちらのお家に行ってくるの?なら昆布巻きと煮豆作ったから明日持って行きなさい』
『はぁい』
「いやいや、お構いなく」
『だから割と大き目の荷物でここに来たんだね、ソラくん』

今日はここに泊まって、明日は実家にそのまま行こうと思っていたから、俺の荷物はいつもより少し大きめ。
よく見てるな、専務、いやお父さん・・・

いずれにせよ、お父さんお母さんはそれまでとはかなり関係性が変わった気がする。
・・・まぁ、そんなにたくさん会ったわけではないけれども、それでもこれから夫婦水入らずな生活を送るにあたっては、過去のしがらみが払拭され、新しい関係が築けるのではないかと前向きに思える雰囲気だった。

それから葉月の部屋で寝かせてもらうことになり、初めて葉月の部屋に入った。

マンガを描くための広いデスクがあることと、沢山のマンガ本があることが最大の特徴。
物は多いけど、整然としている雰囲気。

『あまり女子っぽくないかな』
「いや、マンガ描く人なんだなって感じ。うちよりもやっぱり自分の部屋の方が描きやすいでしょ」
『ソラと一緒ならどっちでもいいよ』

葉月が"私のベッドは狭いから"と、ベッドの下に一組の布団を敷いてくれていた。
けど・・・
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