私に恋をしてください!
やはりそうだ。
でも、自分は恋をしたことはなくても、周りから告白されたこととかないのだろうか。

『私は、門限が厳しくて、女の子の友達と昼間にショッピングに行くのがやっとでしたから、同級生の男の子から声を掛けられても、デートをする時間はありませんでしたし、面倒にしか思いません』
「なら、何でいまここに僕といるの?」
『それは・・・』
「そう言えば、この間メールで言っていた"お願いしたいこと"って何?」

俺の言葉に、彼女は一度俯いて、何かを決意したように俺を見つめた。

『ソラさん、私に・・・恋をしてください!』
「は?」

何を言い出すんだ。
まだ出会って2度目の彼女に、恋をしろと?

『恋をする振りでいいんです。男の人がどんなセリフを言うのか、私自身で体感しないと、マンガのレベルが上がらないと思ったものですから。嫌なら、いいんですけど・・・』

ふと俺は彼女の右手の甲を見た。

火傷は甲まで達している。
薬を塗っているせいもあり、少し光沢しているが、色の変化は明らか。
俺は彼女の体に、傷を付けた。
この責任を取らなければ。

その責任を、彼女の願いを叶えることで少しでも果たせるのであれば・・・

「分かりました。貴方の願い、聞きます。ただ、1つだけ条件があります」
『何でしょう?』
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