私に恋をしてください!

☆~side HAZUKI~

春木屋書房の新規店開店の日から4日後の水曜日。

9時半のチャイムが鳴り終えた直後、

『清水、ちょっと来て』

声の主は成瀬川局長。
朝から呼ばれてるなんてあんまりないけど、何の用だろう?

"ちょっと頼みたいことがあってさ"と言いながら営業局の隣にある会議室に入るように言われた。

「局長、どうしたんですか?」
『頼みたいのは、仕事のことじゃないんだ』
「はぃ…」

中途半端な返事をしてしまったが、局長の次の言葉を待った。

『今から言うこと、悪いけど他言無用な内容も含まれている。俺は今まで秘密にしていたことがあるんだ』
「なぜそれを私みたいな新入社員に言うんですか?やっぱり、専務の娘だから…」

と、ここでドアのノック音とともに日下部長も入ってきた。

『部長、ごめんね、お呼び立てして』
『ま、局長からのお呼ばれで仕事の話じゃないのなら、喜んで時間を割くよ』

なんと不真面目な管理職なんだろ?
まぁ、私が何かを言う立場にはないけど。

『義理の弟の…正確には義理の弟の友達の悩み事を解決してあげたいんだ』
「義理の弟さん、ですか?」

確か局長には弟さんがいるけど、義理の弟と呼べる人なんて、いたっけ?

『妻の実弟なんだ』
「えっ?」
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