あの日に出会ったキミと。
「…んっ」


最後に彼は優しく口付けすると、私のことを抱き締めた。


彼の腕は逞しくて、力強かった。


「お嬢様…細いですね」


「一ノ瀬ぇ…」


「そんな顔も、そんな声も、私の前でしか見せないでくださいね」


そう囁くと、彼は私を開放した。
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