狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅤ―ⅶ 予想外の結末Ⅲ
にこやかに彼らを見送るガーラントは広間の扉が閉まると、急いでキュリオの元へと戻って行った。
「…気を遣わせてしまったね」
まだぼんやりとしているキュリオはガーラントの気配を感じ、ゆっくり振り返った。予想もしていなかった結末だけに彼の衝撃はかなりのものだろう。
「とんでもございませぬ!それよりキュリオ様…一度部屋にお戻りになりませんか、ここでは人目もありますゆえ…」
先程から王や大魔導師のただならぬ雰囲気を感じとり、オロオロしている家臣や女官たちは心配そうにこちらの様子を伺っている。
だが、そんな様子も気にしないとばかりにキュリオは口を開いた。
「ああ。私の可愛いアオイが眠りから覚めているかもしれないからね…」