狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅠ 精霊王と上位精霊・格の違い
『…悠久に恨みはない。ただ…』
『…あれを口実にひとつの国を火の海にしてみたいだけさ…』
ゾクリとするような気味の悪い笑みを浮かべるイフリート。
『言ってる意味がわかるか?…』
『要するに…』
『…お前みたいなやつは…邪魔だっつってっんっだっよっっ!!!!』
『…っ!!…』
ついに本性を現したイフリートの劫火が光の精霊に襲いかかろうとした瞬間―――
…彼は彼女の目前で動きを止めた。
だが、動きを止めたのではない。動けないのだ。
『…ま、ま…さか…っ…』
ただならぬ殺気にそれまでの勢いを失い、すっかり震えあがり口がまわらぬ上位精霊・イフリート。
すると異変に気が付いた精霊たちは金色の光に気付き…ゆっくり上空を見上げる…
『…ッヒィ…ッ…!!!』
―――そこでは黄金の弓矢を極限まで引いた精霊王・エクシスがイフリートへと狙いを定めていたのだった―――