狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅩⅠ―ⅵ 疑わぬ因果関係



『…我は何もしておらぬ…』



激しく取り乱したキュリオを初めて目にしたエクシス。五百年程前、悩んでいる彼に放った言葉を今でも覚えている。




"…悲しみに目を反らす必要がどこにある…
重きを置くは消えゆく命をただ嘆くか、称えるかであろう?…"




エクシスのその言葉を聞いたキュリオは何かを感じとり、彼の中で死のとらえ方が…変わったはずだった。しかし…乗り切ったと思った"死に対する想い"が、また執着を取り戻してしまったように見えた。





『…やつをそうさせたあの赤子は一体何者だ?…』





彼の興味はそこに行きつく。
そして夢の中の謎の暗闇と二人の少女はおそらく二度と会うことはないだろう。









偶然、一夜に起った二つの出来事。










"夢に殺される少女"とキュリオの抱いた赤子の因果関係を、この時…彼はまだ少しも疑っていなかった―――…


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