狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅡ 狂い始めた歯車


ガーラントが暗い表情を浮かべる中、キュリオを先頭とした集団はあっというまに悠久の門へとたどり着いてしまった。門が開くと、数人の家臣とともに目の前には真っ白な馬車が出迎えていた。



「お帰りなさいませ!!キュリオ様!アオイ姫様っ!!」



「ありがとう、皆にも心配かけたね。アオイはこの通り元気だ」



異空間の暗闇を抜け、悠久の朝日を浴びたアオイは眩しそうに目を細めている。光を浴びて反応のある彼女を目にし…キュリオはまた涙が出そうになった。


「…っ…」


そして涙を堪えるようにアオイの柔らかい頬に自分の目元を押し付け、幸せを噛みしめると…彼女と見つめあったままキュリオは馬車へと乗り込む。



「キュリオ様…まるで恋人に接しているかのようだ…」



彼の飾らないスマートな愛情表現に家臣たちは頬を染め、見つめ合う二人の様子を夢心地で見入っている。



「ほれ、無駄口ばかり叩くでない。キュリオ様も姫様もお疲れじゃよ」



「…はっ!失礼いたしましたガーラント様っ!!」



家臣を引き締め、ガーラントも別の馬車へと乗り込むと、馬はゆっくり歩き出した。






そして…大騒ぎになった悠久の城では、今まで以上に…女官や侍女に溺愛されるアオイの姿が目撃されるのであった―――

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