狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅩⅢ―ⅶ キュリオの恋わずらい?Ⅰ



「そうだ…キュリオ殿の書簡の内容だが、無事解決されたのか?」


「あぁ、それはもういいんだ…確認したかっただけだからね」


「…そうか、急用があったばかりに申し訳なかったと思っていた…」


エデンはキュリオの返事を聞いて安心したようにゆっくり瞳を閉じた。そんな彼の頬を優しい風がなでるように駆け抜ける。すると…その風に乗って赤子の笑い声が聞こえてきた。


「きゃぁっ」


(これはアオイの声…)


口元に笑みを浮かべながらキュリオは背後にある城を見上げ、彼女の姿を探した。しかし、建物内にいるため姿までは確認できない。少し残念に思っている彼の横顔をエデンが見つめている。


「キュリオ殿は子育て中なのか?」


エデンの目には…赤子の声に熱視線を向けるキュリオの様子がそう映ったらしい。

彼の言葉にふっと笑ったキュリオは"その通りだよ"と穏やかな表情を浮かべた。


「エデン、君には恋人がいたんだったかな?」


「まぁな…」


あまり浮かな表情を浮かべるエデンだが、キュリオは気づいていない。


「実は私にも気になる女性が現れてね…」



ポツリポツリと切り出すキュリオにエデンは驚いた表情を向けた。


「悠久の王は現在恋わずらいか」


「恋…?」


キュリオは考えるように顎に手を添え、じっと地面を見つめている。思ってもみなかったエデンの発言に深く考え込んでしまったようだ。





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