狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

XXXIII―ⅶ 仕立屋(ラプティス)・ロイⅡ




「キュリオ様のお力のお蔭でございます!
祖父や祖母は足腰が弱りさえしましたが、今もなお現役で働いております!!」



興奮したように熱弁を振るうロイの熱気にキュリオは優しく笑いかけた。



「あの二人は…そろそろ百近いのではなかったかな?ふふっ、私も負けていられないね」



「はいっ!」



顔を上げたロイの胸元にもやはり銀細工のブローチがキラリと光っている。ロイの一族はひとりに一つではなく城に参上する際、王に謁見する者がそれを身に着けてやってくるのだった。


納期が長いとしても頼まれた形状、個々の体格、数を把握するには到底一人では不可能だ。その為、彼らはいつも数人で城を訪れることが多いのだが…



「キュリオ様、お話は伺っております!赤子用のお召し物をとお考えなのですね?」



「あぁ、その赤子というのがこの子の事なんだ。明日の朝までに一着、銀の刺繍を入れてお願いできるだろうか…」



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