狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅤ キュリオとダルドの出会い



爽やかな風と日差しが通り抜ける通路を二人が歩くと、艶やかな長い髪が日の光を受け…美しい輝きを放っている。




…人でもありながら…人の身を超越した彼らは、胸に抱く想いも似たものが多い。




深く他人と関わってしまえば、いつかくる命の終焉を見届けなくてはならない。




―――かつて銀狐(シルバーフォックス)だったダルドの、獣だった頃の彼を知る仲間はもうおらず…どういうわけか彼だけが百年もの年月を越え、人型聖獣へと進化してしまったのだ。




(…どうして僕だけこんな体なの…)




当時の彼は人の世に関わらず、霊獣として生きることも出来ず…森の中、たったひとり途方に暮れていたところを悠久の王・キュリオが優しい手を差し伸べたのだった―――




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