狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅥ キュリオとダルドの出会い


「…お、おい…」



正面にいたリーダー格の猟師(キニゴス)は次に起きる光景を予想し、笑みを深めていたが…倒れるはずの目の前の青年は無傷のまま地に足をつけている。



「…愚かなる猟師(キニゴス)よ…」



「ただ人の身であるお前たちの力では私を傷つけることは不可能だ」



バラバラになった一本の矢がキュリオの足元に無残な姿をさらしている。
そして…ダルドが目を凝らしてみるとキュリオの体を包む淡い光がわずかに輝きを増しているように見えた。



「…っ、間違いない…っ!!このお方はっ…」



「…キュ、キュリオ王だっっ!!」



ガバッと泥水を啜るように土下座をし、ひとりの男が偉大な王に許しを請う。




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