狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

その12

「…前夜祭と後夜祭、光弾の打ち上げにあたります魔導師は10名です。
私は主に指示する立場にまわりますので数には入りませんが、どうぞよろしくお願いいたします」


「あぁ、十分な人数だ。よろしく頼む」


彼から一歩下がりながらアランとともに校庭へと現れたアレス。
すると、散らばっていたいくつかの人影が俊敏な動きを見せ、主(あるじ)のもとに集い一礼する。


「皆ご苦労。
今年は私の娘、アオイもこの学園の生徒として参加を予定している。もし彼女を見かけても一生徒として接してやってほしい」


「はっ!!畏まりました!!」


「くれぐれも誰かのように"アオイ様、姫様"というお呼び方は控えるようにお願いします」


「…っ…了解!」


わすかな間に魔導師たちがカイを思い浮かべた事は間違いない。
城からやってきたのは12名。魔導師たちを抜いたらあの剣士しか存在していないからだ。


そしてキュリオとアレスの言葉を心に留めた魔導師たち。
常に高見にいる偉大な王キュリオが教師・アランとしてこの学園に来ていることは重々承知している彼らだが、アオイに微笑まれ…場所を忘れてしまう者がいるかもしれない。


それほど悠久の姫の存在は身近にあり、幼い頃から城で暮らす彼女のことは誰もが愛すべき対象としてその姿を見守ってきたのだ。


…やや離れた場所から彼らを見つめているアオイとカイ。


「アオイ様、アレスのやつ絶対俺の悪口言ってますよね」


「そう?どうしてわかるの?」


「…キュリオ様がアレスの話の途中でうんざりするような顔をされたので」


「…(じゃあそうかもしれない)…」


とても口にすることなど出来ず、アオイはカイから視線を逸らしたのだった―――。


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