狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

その20

学園どころか悠久の大地そのものを揺るがすほどの凄まじい力(エネルギー)。眩い煌めきを受けた"キュリオ"の髪は金色にも見える。



―――ドクン…ドクン…



主の呼びかけにその身を出現させた神剣は、彼のように力強い脈動と何にも屈しない孤高の輝きを放ち続けている。


「…くっ…!!」


あまりの輝きにその瞳を焼かれそうになりながら、震える両足で懸命に衝撃に耐えているアレス。


(…キュリオ様が神剣を召喚しなくてはならないほどあの男は強いという事なのか…っっ!?)


「…悠久の歴代最強…キュリオ王と聞いていたが…とんだ化け物がいたものだな」


突如低い声が響き、和の装いの青年の背後から漆黒の男が姿を現した。


「クジョウ…」


名を呼び、驚きの表情を見せた彼を一瞥すると"キュリオ"と青年の間に立ちはだかる男。


「…センスイ、お前では無理だ。下がれ」


「…わかりました」


大人しくクジョウと呼ばれる青年の後ろに下がるセンスイ。その瞳には悔しさが滲むものの、諦めのような色さえ浮かんで見える。


(以前のキュリオ殿ならまだしも…この男は危険すぎる。まさか今の悠久にこれほどの実力者がいるとは…)


漆黒の男と対峙した"キュリオ"は、荒々しく鳴動する神剣を横一文字に構える。



「…ようやく出てきてくれたね。真の敵には辿りつかなくとも、君たち二人を消せれば十分だ」



美しい瞳が鋭さを増し、"キュリオ"は口元に笑みを浮かべる。

すると…



「やつ(キュリオ)とは神剣の形も脈動もまるで違う。貴様…悠久の王の亡霊といったところか…」




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