狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

禁断の関係?

(よ、よし!それなら…っ!!)


思いついたアオイはごそごそとジルお手製のスイーツを詰め込んだ小箱を取り出して笑顔をつくる。


「ちょっと早いけど…アラン先生一緒に食べませんか?はいミキ、シュウも…」


「わーっ!なにこれすっごく綺麗!!」


「おー!うまそうだな、いただきっ」


「どれも今朝焼いてもらったものだから、たぶん夜まで食べられるけど…」


「アンタは体型心配することないでしょー!?ってかもっと食べないとお胸が育たないぞーっ?」


ワキワキと両手を突き出し、アオイの胸を揉むような仕草をとったミキ。


「きゃっ…や、やだっ…ミキったら…」


「ほんとおいしそうね!ってミキさんだめよぅ?アオイさんのお胸…シュウ君もまだ触っていないんだろうしぃ?」


「えっ!?」


「っ!?な、なにいってんだよ!!」


真っ赤になったアオイとシュウは居心地悪く顔を見合わせた。


「あ、だめだめっ先生!!アオイはまだまだ大好きな"お父様"が許してくれないよそんなのっ!!」


内心ほっとしたアオイが激しく頷く。


「うん、うん…っ…まだお父様にも触られてない、はずだし…」


ドキドキと俯いてしまったアオイだが、その発言にアラン以外の全員がぎょっとした顔をしている。


「ちょっと待ったアンタ!!"お父様"と禁断の関係でも築いてるわけ!?」


興奮気味のミキがアオイの体を激しく揺さぶる。


「…え?だって一緒に眠っていたら…胸くらい触れられても…、でもお父様は私に興味ないから…」


「えーーっ!!まだ一緒に寝てんの!?!?」


外で馬車をひく馬が驚いてしまいそうな程の大声をあげたミキに、アオイは目を丸くして小首をかしげている。



「…?何かおかしかったかな…?」



「アオイさん"お父様"が君に興味を抱かないなんて…憶測でものを言ってはいけないよ」




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