狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

もし…の話？

「さて！アラン先生は相変わらず忙しそうだし、中庭の散策…行ってみますか！」


「うんっ」


「……」


ミキの提案に瞳を輝かせて頷いたアオイだが…


「シュウも行こう？」


返事のない彼にアオイが振り返った。


「あの…さ、」


「うん？」


「アオイはヴァンパイア…どう思う？」


「どうって？」


きょとんとしたアオイは質問の意味がわからず首を傾げている。


「…もし…悠久で暮らしたいっていう…ヴァンパイアがいたらどうする？」


「……」


数回瞬きしたアオイと伏し目がちのシュウ。その視線の低さから何故か彼の不安そうな想いがひしひしと伝わってきた。


「私はいいと思うよ？お国だって近い？んだし、もっと交流があってもいいくらいだと思っていたから…」


「…っそんなの綺麗事だろ…ヴァンパイアは人を殺しちまうかもしれないんだぜ！？」


わずかに力の入ったシュウの言葉にアオイは目を丸くしている。