狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
Ⅷ 旅の準備


急ぎ足で魔導師の集う別棟へとやってきた大魔導師ガーラントと見習い魔導師のアレスは、名簿を見ながら使者の経験がある中堅的立場の魔導師を探す。


「先生、この方はいかがでしょう」


アレスは指差した先をガーラントにみせた。
彼は年齢にして二十八歳、物静かで勤勉な男だと有名な魔導師だ。


「ふむ、そやつならこの時間は研究室に籠ってるやもしれん。儂は剣士2名を連れてくるでな、そっちは頼めるか?」


「わかりました、魔導師からの経験者は1名でよろしいですか?」


「構わんよ。剣士からも一人経験者を連れてくるとしよう」


二人は簡単な打ち合わせの後、それぞれ逆の通路へと散って行った。ガーラントはさらに別にある剣士の集う棟へ。アレスは研究室へと急いだ―――


< 78 / 871 >

この作品をシェア

pagetop