狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

真夜中の出来事Ⅱ

そして沈黙を破ったのはアオイだった。


"…私の部屋です。でも…シュウは悪くありませんっ!私を心配して…っ…"


"アオイ…"


戸惑いがちに彼女の名を呼ぶシュウの瞳が揺れており、自分のせいで事態が大きくなってしまったことを自覚したのは明らかだった。


懸命に懇願するアオイの表情にどす黒い嫉妬の念が渦巻く。


"…この夜更けにお前の部屋へと転がり込んでいた彼に非はないと…?"


"い、いいえ!シュウが来たのは夕暮れで…ただ抜け出すタイミングがなかっただけで…っ…"


とまで言いかけて…


"…時間はだいぶあったようだが?"


"…っ…"


(…いけないっ!これはお父様の罠だわ…っ!!)


そこでようやく気付いたアオイは慌てて口を噤んだ。


そんなアオイへ冷たい視線を投げかけるキュリオ。


"……"


すると…必死にアランへと弁解を繰り返すアオイに居た堪れなくなったシュウは…


"ごめんアオイ…なんか事情があるんだよな?なのに俺…勝手に入ってきちまって…"


"ううん、私こそごめんね…隠し事ばかりで…"


すまなそうに視線を下げるアオイの肩をシュウが優しく包んだ。


(違う…隠し事なら俺だって…)


"アオイ…それを言うなら俺も同じだ…今度ゆっくり話そうな?"


"うん、ありがと…シュウ"


(いつか本当の事を話せたら…)


ほんの少し軽くなった気持ちを抱えた二人は、視線を交わしながら微笑み合っている。



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