狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

血の誓約

「ただ私の愛とぬくもりだけを感じて笑うお前にもう一度逢いたい…」


「そんな…それは今だって同じです。私の一番はいつだってお父様なのですから…」


「…一番?」


「は、はい…」


どこに気を揉めたのかわからないが、キュリオには不満のようだ。さらに声色が低くなり、こちらを見つめる目が鋭くなっていく。


「…二番目も三番目もお前には不要だ。この腕の中で私を見つめていればいい」


「でもそれじゃ…学校が…」


「…聞き分けのない子には罰を与えなくてはならないね…」


ぐっとキュリオの顔が近づいたかと思うと首元に鋭い痛みが走る。


「…い、いたっ…」


痛みをこらえるようにきゅっと強く瞳を閉じたアオイ。鋭く一点に…というよりも、鈍い痛みはやや広範囲にわたっている気がする。


「…ヴァンパイアは外道だ…しかしやつらには血の誓約がある」


「血の誓約…ですか?」


「あぁ…」


涙で滲んだアオイの目尻に唇をのせるキュリオ。


「…やつらが異種の伴侶を持てばその者の血しか飲めなくなる。そしてどちらかが死ぬまでその誓約が破られることはない…」


「…もし破られることがあったらどうなるのですか?」


なんとなく察しがついていたが、確信がなかったためそんなことを口にしてしまったアオイ。





「他の者の血は毒となり…その身は滅びるだろう」






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