狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

大和の記憶Ⅱ

「……」


彼の言葉に押し黙ってしまった大和。さらに彼の瞳がわずかに陰った気さえする。


「和の国…現れた少女、人為的な火災…」


「…何が言いたい…」


鋭くなる大和の視線。その視線から九条の言いたいことをすでに理解しているのは明らかだった。




「…お前の大切な記憶ではないのか?」




―――ガッ!!




「…っ!!一緒にするなっっっ!!」




振り上げた拳で東屋の柱を殴りつけた大和。呼吸を荒げギリリと歯を食いしばり目の前の男を睨みつける。






「…この夢はお前と仙水を中心にまわっている。一連のものが無意識から生まれたものだとすれば…」






「あの娘に彼女を見ているのはお前も同じだ」








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