狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
謎の男Ⅱ
「お、お前を消すって…ここにもいるじゃない!小便くさいガキが二人も!!!」
しかし、トモミが指差した先にはミキやシュウの姿はおろか…旅館さえ跡形もなく消え去っていた。
足元から沸き上がる仄暗い異様な空間にただ二人。得体の知れない長身の男とトモミだけが存在している。
「お前の心は欲にまみれてその存在が"悪夢"になりつつある…そこで対峙していた者たちはすべてお前の幻だった」
「私の存在が…悪夢、ですって…?」
指摘されて気づく。
普段堪えていた教師として有るまじき発言に姑息な手段。今は堰を切ったように次から次へとあふれ出し、心に広がる真っ黒な自分がその体を突き破って別の何かへ変化してしまうのではないかという錯覚さえ起きているのだ。
(な、なんなのこれ…っ…)
さらに違和感を感じたトモミが腕をまくると皮膚の下から突き上げる異物がまるで虫のように体中を這いつくばっていた。
「あ…ぁぁああああっっっ!!!」
ガクガクと震えだしたトモミは恐ろしくなり、まるで自分から逃げるように走り出した。
「全部あの女がっっ!!アラン先生を誘惑したアオイが悪いのよっっっ!!!」
「探しだして化けの皮を剥いでやるっっっ!!」
もはや彼女の顔までも変形させるほどに異物は巨大化していき…
「己の創りだした"お前という化け物"に恐れを為したか。実に醜い魂だ…」
しかし、トモミが指差した先にはミキやシュウの姿はおろか…旅館さえ跡形もなく消え去っていた。
足元から沸き上がる仄暗い異様な空間にただ二人。得体の知れない長身の男とトモミだけが存在している。
「お前の心は欲にまみれてその存在が"悪夢"になりつつある…そこで対峙していた者たちはすべてお前の幻だった」
「私の存在が…悪夢、ですって…?」
指摘されて気づく。
普段堪えていた教師として有るまじき発言に姑息な手段。今は堰を切ったように次から次へとあふれ出し、心に広がる真っ黒な自分がその体を突き破って別の何かへ変化してしまうのではないかという錯覚さえ起きているのだ。
(な、なんなのこれ…っ…)
さらに違和感を感じたトモミが腕をまくると皮膚の下から突き上げる異物がまるで虫のように体中を這いつくばっていた。
「あ…ぁぁああああっっっ!!!」
ガクガクと震えだしたトモミは恐ろしくなり、まるで自分から逃げるように走り出した。
「全部あの女がっっ!!アラン先生を誘惑したアオイが悪いのよっっっ!!!」
「探しだして化けの皮を剥いでやるっっっ!!」
もはや彼女の顔までも変形させるほどに異物は巨大化していき…
「己の創りだした"お前という化け物"に恐れを為したか。実に醜い魂だ…」