薫子様、一大事でございます!
北見さんが、バイクの左側についた大きな傷に目を見張る。
それは……。
「じゃ、行くとするか」
北見さんに手を借りながらバイクにまたがる。
見た目以上に開く足。
それは、二度目でもちょっと抵抗がある。
バランスを保とうとよろけそうになったところで、北見さんが前にまたがった。
どこを掴もうかと迷っていると
「しっかり掴まれよ?」
北見さんが肩越しに振り向いた。
「……はい」
……ここでいいかな。
北見さんのシャツを遠慮がちに摘む。