薫子様、一大事でございます!

それでも笑い続ける北見さん。


「もうっ、北見さんってば笑いすぎです!」


起き上がって断固抗議してみる。


「いや、ごめんごめん」


そんなに怒るなよって、北見さんが宥めに入る。


そこでふと思った。

どうして北見さんは、一人で気分転換に来なかったんだろう。


「ね、北見さん、」

「ん?」

「どうして私も連れてきたんですか?」


素朴な疑問だった。


バイクの後ろだって初心者。

気分転換なら、一人でせいせいした方がよさそうだけれど。

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