薫子様、一大事でございます!

なにせ、未体験のこと。

こうだったらいいな、という妄想みたいなものならあったけれど……。


「例えば、芙美さんと旦那様みたいな出会い方なんて素敵ですよね」

「いやだねぇ、薫子ちゃん。やめとくれよ」


芙美さんが大いに照れる。


「危ないところを助けられたりしたら、私もきっと恋しちゃいます」

「ふふふ、そうかい?」


でも、そればかりでもなくて。

気付けば隣にいて。
それが、とても安心で。


いないと、自分が半分になってしまったような。


そんな感覚を持てるような相手だったら……。


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