薫子様、一大事でございます!

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私たちがやって来たのは、郊外の高台にある小さな教会だった。


横に立つ大きな木に身を隠して、静かに様子を見守る。

井上さんが、どのタイミングでこの日のことを星野さんに告げたのかは分からないけれど、星野さんはきっと驚いたに違いない。

そして、それ以上に嬉しかったに違いない。


それを思うと、私まで嬉しくなるのだった。



教会の大きな扉が開き、参列者たちが一斉に出てくる。

その後ろから、純白のドレスに包まれた星野さんと、彼女をエスコートする井上さんが姿を現した。


“おめでとう”という歓声が上がり、花びらが舞い散る。


井上さんの浮気疑惑で悩んでいたとは思えない星野さんの笑顔は、北見さんの顔まで緩ませるのだった。

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