薫子様、一大事でございます!

4人で飲んでいたはずなのに。

途中から全く覚えていない。


「薫子が酔い潰れたから、少し休んでから帰った方がいいと思って」

「……そうでしたか。すみませんでした」


北見さんは?
北見さんはどうしたんだろう。


部屋の中を見回してみたところで、ここまで入って来ているはずがない。

姿を見つけられなくて、急に心細くなる。


「私、帰りますね」

「もう少し休んでからにしなよ」

「大丈夫です」


ちょっと飲みすぎただけのこと。


ベッドへ腰を掛け立ち上がる。

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