薫子様、一大事でございます!
来たときは滝山に任せきり。
滝山の後を追ってさえいれば着いたから。
いざ一人で帰れと言われたら、多分とんでもない方へ行ってしまうに違いない。
「銀さんにも、くれぐれもよろしくってお願いされてるしね。さてと、どうするか」
「……戻りますか? 戻って、私の両親の家に泊まりましょうか」
「いや。そこまで戻る電車もない可能性が高い」
「……それもそうですね」
ひと気のなくなったホームに、乗客は私たち二人きり。
駅員さんに「そろそろ電気を消します」と声を掛けられてしまった。
仕方なしに改札を抜けて、駅の外へと出た。
さすがに畑しか見えないということはなくて、チラホラと街の明かりが灯っていた。