薫子様、一大事でございます!

「ちょっといろいろあって忙しくしてるけど。元気よ」


……よかった。
DCHや春日さんに何かされてるんじゃないかと。

とりあえず、その心配はなさそうだ。


「私があそこから出してあげるって言ったのに、涼夜さんに先を越されたわね」


――そうだった。
沙織さんも助けようとしてくれてたんだっけ。


「あのときはありがとうございました」

「やーね、助けてないんだから、お礼なんてやめてよ」


沙織さんは少し照れながら手をヒラリと振った。


――そうだ。
沙織さんにお願いしたいことがあったんだ。


「あの、沙織さん、」

「なぁに?」

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