薫子様、一大事でございます!

「二人揃って、一体どうしたんですか?」

「薫子様、見つかったんですよ」


見つかった?


……何が?


首を傾げる。


すると北見さんが突然屈み込み、何かを持ち上げた。


何やら毛むくじゃらの大きな……


――え!?


「そ、それって、もしかして、」

「お察しの通りでございますよ、薫子様」


黒と茶のトラ模様。


「――モモちゃん!?」

「さようでございます」

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