先輩と私~ピュア系一途×爽やか系おおかみ~
先輩はその後ひとしきり私をからかったあと、思い出したように私を呼んだ。
「あ、穂和ちゃん。俺教室から買ってきたお菓子とってくるから、その間にお茶淹れといてくれる?」
「あ、はい!」
先輩が教室へと向かった後、私は先輩からの指示通り、お茶を淹れるべく、キッチンへと向かった。
部費で買ったのであろうカウンターは、空き教室を部室としているこの空間にはミスマッチだが、この部にとって大切なのは、外観ではなく機能性らしい。
そんなこんなで、部のモットーに準じたカウンターは機能性が高いのはもちろん、様々な器具、そして豊富な種類の茶葉まで揃えられている。
「す、すごい…」
あまりの品揃えに、カウンターの戸棚を開いたまま、どれにしようかと唸ってしまう。
「うーん…これにしようっ!」
悩んだ末に選んだのはオレンジピールティーとかかれたビンだった。
──…
「わぁ…いい匂い」
沸騰したお湯を、茶葉の入ったティーポッドに入れ、カップに注ぐと、オレンジの爽やかな甘味が部室に一杯に広がった。
と、そこへ見計らったように先輩が戻ってきた。