クローバーリアルライフ
プロローグ

――この世には。
この現実という世界には。
ろくな事がなくて。
本当に毎日のように絶望していた。
ずっとずっと夢だった。
みんなで遊んで、喧嘩して。
こう、どこか温かい感じの、普通の日常が夢だった。
家族は、そこそこ優しい。
頼れるし、きっと、いざって時にも守ってくれる。
友達は、少ない。
そもそもどこまでが友達なのか。
相手に友達って思われているのか。
わからない、わからない。
だから、考えない。
――考えたくない。
「あ。」
新作ゲームが出るという情報をたった今入手した私は、パソコンに向かって取り寄せを行うのだった。
やっぱり、ネットは安心する。
ゲームは安心する。
本は安心する。
現実なんて、私にはなんの繋がりも、持たないんだ。
....今日は、なにして居ようかな
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