あの夏で待ってる
「おい、チビ!」


「ふぇ……?」

私は、少しくぐもった声が聞こえて周りを見渡してみた。


すると、木から顔を半分覗かせた可笑しな仮面を付けた男の人がいた。


「何を、泣いているんだ。」

男の人は、少し躊躇いながらも聞いてくる。


「ひ、……人だぁぁぁぁ!助かったァー!」


寂しさから、誰かに抱きつきたいと思うのを堪えてた為、私は突然現れた男の人に飛び付こうとした。


だが、男の人はスカッとよけてしまい、私は草の上に俯せで倒れた。


「うぅ……」


体を起こして頭に付いた草を払い除ける。



男の人に何故よけたと言わんばかりに見つめた。


「す、すまない……お前、人間の子共だろ…?」


こんな可笑しな事をいい始める。


「俺は、人間の子供に触れられると"消えてしまう"」



またまた可笑しな事を言うもんだから私は目を見張った。


てか、消えるってどういうことだろう?


そんな疑問が頭に浮かぶ。

それに……


「人間にって……お兄さんは人間じゃないの?」


ふと、そんなことを聞いてみる。


「この森に住むものだ。」


「え……!?」


それを聞いた私は目を輝かせた


「じゃあ、妖怪さん!?」

手を合わせて目をキラキラと輝かせた。


「でも…消えるってどういうこと?」


今さっき浮かんだ事を聞いてみるが、返事はなし。


なら、言葉で駄目なら行動で移せっ!


そんな事を思って男の人に触ろうとする


が、またまたよけられる。


何回か続き、それが楽しくなった私は調子に乗って何回も触ろうとしたがやっぱり空振り。


そして、遂には男の人に木の棒で軽くおでこを殴られる。


ーガン


痛々しい音が森に響く。


「く……っっ……うがぁぁ……うぅ」


私はおでこを抑えて草の上で蹲った。


「ほ、本当に……人じゃないのね……」


「子供を棒で殴るなんてぇ……うぅ」


なんて妖怪だ……


「消えるって言うことは消滅するというとだ。」


そんな事をふと、言い出した。


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