メランコリック
嫌いな相手でも、同じ時間を共有して、笑える日々を積み重ねていけば、あいつの心は変わるんじゃないか?

こんなことを考える自分自身に戸惑うけれど、気持ちを見つめ直す前に藤枝が去ってしまった。
これから俺たちの接点はなくなる。
どうしたらいい。

このまま離ればなれなんて、絶対嫌だ。


仕事中に電話が入ったのはそんな時だ。
本社からの俺宛の電話だ。


「代わりました、相良です」


「おー、久しぶり。水森だけど」


それは、本社総務部に勤める水森さんだった。
俺たちの代は、就活の時、説明会や面接対策なんかでお世話になっている。


「相良に頼みがあってさ。来春まで、週1くらいで時間作ってほしいんだよね」
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