メランコリック
「次のボーナス期待してもいいなら、受けます」


「それはおまえの働き次第だろ。ま、受けるってことで返事もらったんで。ありがとな」


水森さんは勝手に納得して電話を切った。
まあ、いいや。マネージャーも知っていることなら、問題なくシフトを抜けられる。
本社に行く用事ができた。


*****


就活サポートメンバーは俺の他に4人。
初回は本社で顔合わせと今後のミーティングのみだった。

俺は就活の時くらいしか着ていないスーツを着て、本社に来ていた。
15時から始まったミーティングは1時間かからずに終わった。
今後の予定を一方的に話されるだけで、質疑応答もたいしてなかったせいだ。

他のメンバーは自分の店舗に帰ったりする中、俺は堂々と生産管理課を訪れた。

イデア本社は青山一丁目駅と乃木坂駅の真ん中のオフィスビルに入っている。
2フロア借りていて、メイン機能の営業部隊や役員たちの庶務室は5階フロア。

生産管理課は、応接室や社内受付、資料室なんかのある静かな4階にあった。
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