こんぺいとう
家の中に入ると、
「君が秀次君のお孫さんなんだね。」
と、祖父は笑顔で聞いた。
「あの…祖父とはどういったご関係でしょうか…?」
純の質問に、二人は軽く頷くと、
「幼なじみだ…秀次君が今年亡くなったそうだね。由月から聞きました。」
と答えた。
由月の祖父と祖母が、純の祖父と幼なじみ…世間は狭い…
「という事は、祖父の兄の事もご存知なんですよね?」
純の何気ない一言に、二人は少し悲しそうな顔を浮かべた。
今まで何も言わずに黙って会話を聞いていた祖母が、静かに話し出す。
「きっとこれは偶然ではなく、運命なのでしょう…今日は二人に私達の話を聞いてもらいたいの。今まで辛くて誰にも言えなかった事を…」
由月と純は、少々緊張しながら姿勢を正した。
「あなたのお祖父さんの秀次君は、私の義理の弟です。正確には弟だった。かしら。」

………えっ??どういう事??
祖母の言葉を聞いて、由月の頭の中は真っ白になった。
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