こんぺいとう
雄治や秀次君よりも一足先に戦地へとかりだされた私は、もう生きる希望を失っていた。いつ殺されるか分からず、自分も誰かを殺さなければいけない…
そんな地獄の毎日だった。
しかしある日、戦地であるサイパンで偶然雄治と合流した。
再び会えた事は喜べなかったよ。
雄治が死んでしまったら日本で待つ文子が悲しむ…
絶対雄治だけは生きて帰って欲しかった…

しかし日々戦争は激しくなって行き、仲間が死ぬ事も当たり前に感じていた。全員が「生きたい」と強く思う反面、次は自分だと恐怖に襲われていたんだ。
そんな中で雄治だけは皆を励ましていた。
「生きて帰ろう」
と一人一人に声をかけて回ったんだ。

そんな雄治にみんな励まされ、サイパンという遠い地で必死に生きようとしていたんだ。
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