冷たい雨と月明かり
冷たい雨
 「ねぇ、宏人…。私、ね…幸せだったよ。
今までっ…ありがと。…また、ね?」

それが愛からの最後のメッセージ。

今日は2人の1年記念日。
お互いの指にはペアリング。
‘‘always with you‘‘と刻まれた文字。
待ち合わせのカフェへ向かう途中、愛は交通事故にあった。

嘘だと思った。
冗談だよなって何度も問い掛けた。
でも小さな病室のベッドの上で
段々冷たくなっていく愛の手だけが真実を伝えてた。

外は冷たい雨が降ってた。
その日、愛は静かに息を引き取った。

なんで守れなかった?
なんで俺じゃなくて愛が死んだ?
悲しいのに苦しいのに涙さえでなかった。

 次の日、葬儀が行われた。
「まだ高校1年生なのに可哀想にねぇ…。」
< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop