嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!
「ふぁんふゅ」
ガシッとざるそばが差し出した麦茶のコップを掴んだやきそばは、そのまま一気に麦茶を煽った。
「ぷはーっ。あー、うまかった。コレ、そうめんとそばさんが作ったの?」
「うん。そうだよ」
「うまかったわー。うん、うまかったー」
何度もうんうんと頷くと、やきそばは「あ、そうそう」と、ふと思い出したようにパンッと両手を合わせた。
「あんね、今度ガッコーで、学園祭が開催されるんよ」
「ほうほう」
ちゃぶ台に肘をついたやきそばの話を、うどんが頷きながら聞く。
「で、それのお誘いに来たんだ。まー、いつでもココに来れるけど、忘れないうちにー、って思ってさ」
「いいねいいねー。学園祭ー。青春してんねー。ってぇか、お前、学生だったんね」
「おう。そだよーん」
「おっしゃ。おれは、行くぜ!おめぇ、なんか屋台とか出さねぇの?」
白い歯をのぞかせて笑ううどんが、握り拳を作って言った。
「あー、出そうとは思ってるんだけどねー」
「私も行きますよ」
「じゃ、私も行こっかな」
「おれも行く」
「冷麺は?」
「行く」
突然現れたやきそばの、唐突な言葉を全員素直に受け止めると、
「じゃぁ、朝食、再開しましょうかね」
「あ、私、やきそばくんの箸持って来るね」
「あ、あざーす」
騒がしい朝食が始まったのだった。