嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!

「ふぁ」


 早くも、騒がしい一日が終わりを告げようとしていた。
 
 ただ、昨日と違うところが一つ。


「やきそばは、どこで寝るんです?」

「ん~?」


 今、風呂から上がったばかりのやきそば、肩にタオルをかけ、その茶髪からはホカホカと湯気が立っている。そんなやきそばに聞いたのはそうめんだ。


「冷麺と一緒に寝ようかな~」

「はぁっ?」

「そうですか。あ、タオルケット、いります?」

「ん~。うん、いる。サンキュー」

「ちょっ、当人置いて、勝手に話を進めるなって。なんで、おれの部屋でねんだよ」

「ん?あー、だって冷麺、冷たくてきもちいもん」

「はぁ?」

「ピタッてくっついて寝ると、チョーーーきもちいんだよ?お前」


 驚きのあまり、口をパクパクさせている冷麺の前で、やきそばが熱弁した。


「夜でも、元気だねえ」

「あー、だなあ。ま、おれの息子はいつでもげんっ」

「下ネタは止めようね」

「はい」


 次に風呂に入っていたそばが、夜でも元気なやきそばを見ると、微笑んだ。やきそばよりも先に風呂に入っていたうどんは、牛乳をコップに並々注ぐと、一気に煽り、そばの言葉を返した。


「ま、冷麺がなんと言おうと、おれは冷麺の部屋で寝るけどね~」

「ちょっ、まっ、待てって!おい!」


 ルンルンと、妙に腹立つスキップをしながら、やきそばは冷麺の部屋の方へと足を向け、まだ許可を下してないのに勝手に自分の部屋へ行こうとするやきそばを、冷麺は慌てて追いかけた。

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