嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!

「とーんこつー」

「うおわっ?!あ、あー、やきそばさん」

「あれ?やきそばさん?どったのどったのー?」

「またウチのとんこつが何かやらかしましたか」

「しお、おめぇ、なまら母性的だべや」

「ううんー。とんこつに明日の学園祭で出す屋台、手伝ってもらうんだー」

「へぇ。なになに?やきそばさん、なんの屋台出すのー?」

「買いに行ってもいいスか?」

「うん!全然オッケーだぜー。んとね、出す屋台はね、やきそばとーたこ焼きでしょー。それからそれからー」


 ヒョコッととんこつたちがいるクラスに顔だけ出したやきそばは、指を折りながら出す屋台の数を数えだした。

 その教室には、しょうゆ、みそ、とんこつ、しおのいつものメンバーが招集されたかのように揃っていた。


「そんなに出すんですねー。おっしゃ、おれ、絶対買いに行こー」

「俺も行くべー」

「僕も様子だけでも見に行きますかね」

「おらぁ、バイトすんだぜ」


 親指で自分を指差したとんこつは、ニヤリと口角を上げた。


「だからなんですか」

「バイト・・・!なんか響きいいだろ!」

「いやー・・・」

「そうでもないですよ」

「あ、素直に言っちゃったかぁ・・・」


 ズバッと言い切ったしおは眼鏡のブリッジをクイッと持ち上げた。

 握り拳をギュゥッと握りしめ、クワッと目を開いた。その目は充血していて、すぐにでも頭のどこかからブチンッと、何か切れちゃいけないものが切れるような音がしそうだ。

 しょうゆが、苦笑いをして、そんなとんこつを宥めた。

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