甘い時 〜囚われた心〜
メイドに急かされ、玄関前につけられたリムジンに乗せられる。

横には桜華が、向かい合わせにあの男がいた。

何が起こっているのか分からず、握ったスカートの裾に目を落とした。

「雛子さん…?」

目が合うと、ニッコリと微笑み、男が口を開いた。

「今日から、私達が通っている高校に、あなたにも通ってもらいます」

突然の言葉に、眉を寄せた。

「私達が通っている高校は、桜庭学院といいます。名前ぐらいはご存じですね?」

(名前ぐらいはって…私の通ってた学校の隣…)

そう、数ヶ月前まで通っていた女子校の…

男は雛子の心を見透かしたように

「そうです。あなたの通ってたらした学校の隣です」

「!」

(この人たち…私の事を知ってる…)

「私の…事…調べたんですか…?」

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