甘い時 〜囚われた心〜
扉の開く音に、向かい合っていた二人は、静かに扉を見た。

桜華と鈴音

雛子と尚人

四人の視線が交差した。

「雛子…先に行けと言っただろ?」

一番に口を開いたのは桜華だった。

「でも、私も鈴音さんに話があるの…」

桜華の側に駆け寄った。

「あんたたち、本当に付き合ってるんだ…」

二人を見て静かに言った。

「あぁ…だから、お前とのこともなしにしてくれ」

「桜華!?」

サラリと許嫁解消を言う桜華に雛子の方が焦った。

「ダメだよ!」

桜華の腕をすがるように掴んでいた。

「なんでだ?俺はお前しか愛せない!わかってるだろっ!」

「でも…」

雛子は鈴音の顔が見れなかった。

自分のせいで人を傷つける。

人を愛するのはこんなにツライものなのかと苦しかった。

しかし、その空気を一気に変える一言を、アッサリと言った者がいた。

「はいはい。解消ね!うちのジジーには言っとくから!」

ヒラヒラと手を降りながら扉に向かう人物。

他ならぬ鈴音だった。

キョトンとしている雛子に振り替えって笑った。

「雛子!勘違いしてるみたいだけど、私達、そんな感情なかったからね!」
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