甘い時 〜囚われた心〜
教室を飛び出した雛子は、無我夢中で校舎まで飛び出していた。
長い門までの道を走り、門を出ようとした時だった。
「どこ行くつもりなんだ?うちのお姫さまは…」
振り替えると、タバコを吸いながら、立っている篠原だった。
「はぁ…はぁ……何してるの?…優ちゃん…」
「優ちゃんって言うなってば!」
いつの間にか、兄のような存在になっていた篠原を下の名で呼ぶようになっていた。
「で、どこ行くつもりだ?」
白い煙が吐き出される。
タバコが似合う。
大人の男だ。
「うん…ちょっと…先に帰りたいなぁって…」
やっと落ち着いてきた息。
へへっと笑う雛子に近づいていく。
「作り笑い下手…何かあったんだろ?」
その言葉に我慢していた涙が溢れてくる。
「ふぇ…」
ポタポタと地面を濡らしていく。
崩れるようにうずくまり声を殺して泣いていた。
その体を抱き締めるように篠原もしゃがみ、雛子の頭を撫でてやる。
誰かの足音が聞こえて、篠原は首だけを動かして後ろを確認した。
息を切らした尚人だった。
長い門までの道を走り、門を出ようとした時だった。
「どこ行くつもりなんだ?うちのお姫さまは…」
振り替えると、タバコを吸いながら、立っている篠原だった。
「はぁ…はぁ……何してるの?…優ちゃん…」
「優ちゃんって言うなってば!」
いつの間にか、兄のような存在になっていた篠原を下の名で呼ぶようになっていた。
「で、どこ行くつもりだ?」
白い煙が吐き出される。
タバコが似合う。
大人の男だ。
「うん…ちょっと…先に帰りたいなぁって…」
やっと落ち着いてきた息。
へへっと笑う雛子に近づいていく。
「作り笑い下手…何かあったんだろ?」
その言葉に我慢していた涙が溢れてくる。
「ふぇ…」
ポタポタと地面を濡らしていく。
崩れるようにうずくまり声を殺して泣いていた。
その体を抱き締めるように篠原もしゃがみ、雛子の頭を撫でてやる。
誰かの足音が聞こえて、篠原は首だけを動かして後ろを確認した。
息を切らした尚人だった。