無垢な瞳
2
昼休みの練習も、今日やっとクラス全員が揃った。
指揮者はアキ。
僕はコウの横にぴったりつき、何が起こってもいい状態にする。
今日初めてアキが指揮に立ったのだが、一つ問題が起こった。
コウは指揮などお構い無しに自分のペースで弾いてしまう。
逆に指揮がピアノにあわせるというおかしなことになってしまった。
コウ以外はみんな推し量りながら歌う状態で、これではとても不安定な合唱だ。
そこで、僕とコウだけで別室で練習をした。
コウがピアノの鍵盤の上に手を置いたあと、僕が「一、二、三、四」と小さな声でコウに指示を出してから弾き始めるという練習だ。
コウは自分のペースで弾きたいので、多少ぐずったが、僕が根気よく何度も同じ手法で弾いているのを見て、コウも理解できたようだった。
あとはアキの指揮にあわせて、ぼくが「一、二、三、四」の音頭をうまくとればうまく行く計算だ。
アキが指揮棒を上げた。
僕が、「一、二、三、四」とカウントして、コウが弾き始める。
演奏が始まったら、僕はアキの指揮を見ながらメトロノームのように「タ・タ・タ・タ‥‥」と小さな声で言い続ければいい。
指揮者はアキ。
僕はコウの横にぴったりつき、何が起こってもいい状態にする。
今日初めてアキが指揮に立ったのだが、一つ問題が起こった。
コウは指揮などお構い無しに自分のペースで弾いてしまう。
逆に指揮がピアノにあわせるというおかしなことになってしまった。
コウ以外はみんな推し量りながら歌う状態で、これではとても不安定な合唱だ。
そこで、僕とコウだけで別室で練習をした。
コウがピアノの鍵盤の上に手を置いたあと、僕が「一、二、三、四」と小さな声でコウに指示を出してから弾き始めるという練習だ。
コウは自分のペースで弾きたいので、多少ぐずったが、僕が根気よく何度も同じ手法で弾いているのを見て、コウも理解できたようだった。
あとはアキの指揮にあわせて、ぼくが「一、二、三、四」の音頭をうまくとればうまく行く計算だ。
アキが指揮棒を上げた。
僕が、「一、二、三、四」とカウントして、コウが弾き始める。
演奏が始まったら、僕はアキの指揮を見ながらメトロノームのように「タ・タ・タ・タ‥‥」と小さな声で言い続ければいい。